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092 : Giuseppe Tartini [楽興の時]

 

 




 

Giuseppe Tartini

 









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Giuseppe Tartini



















ジュゼッペ・タルティーニ(Giuseppe Tartini, 169248 - 1770226日)は、イタリアのバロック音楽の作曲家・ヴァイオリニスト。





















♪ヴィヴァルディと並ぶイタリア後期バロック音楽の巨匠 

イタリアの後期バロック音楽と言えば、まずヴィヴァルディの名が浮かびますが、それに比肩するほどの演奏技術と作曲の量、質を誇った人物がいます。

1678年生まれのヴィヴァルディから、遅れること14年後の1692年に、イタリアのピラーノに生まれた、ジュゼッペ・タルティーニがその人です。 

タルティーニはほとんど独力で、ヴァイオリン演奏を身につけたと言われ、高度な技巧の開発により1728年、パドヴァに音楽学校を創立しました。 

また彼は常に新たなヴァイオリン奏法を模索していたとされ、そうした状況下、ある夜、不思議な夢を見るに到ります。 

「おまえがもし魂を売るなら、願いを何でも叶えてやろう」  

夢の中に現れ、そう言ってタルティーニに迫る悪魔の言葉に、彼は恐れをなして自らの魂を売ってしまいました。 

その代償として悪魔はタルティーニのヴァイオリンを手に取り、超人的な技巧で世にも美しい曲を弾き始めました。

人間の想像力を超えた名演奏に、狂喜、陶酔するタルティーニ。 

やがて目覚めた彼は、跳ね起きると急いでヴァイオリンをつかみ、今聴いた演奏を再現しようと試みましたが、まったく不可能でした。

しかし、何とか記憶をたどりながら書いたのが、後に彼の代表作となる、ト短調のヴァイオリンソナタでした。 

この曲にタルティーニは自ら「悪魔のトリル」と名づけました。

 三つの楽章からなるこのソナタの第3楽章に、「悪魔のトリル」と呼ばれる、奇怪で超人的なトリルが現れます。 

タルティーニは生涯に多くの作品を残しましたが、そのほとんどがヴァイオリン協奏曲とヴァイオリンソナタでした。

 同時代の主流であったオペラや宗教音楽は、まったく作曲していません。 

また、現存する作品は少なく、残った作品も作曲時期などが曖昧なため、現在も学者たちによって、時期別の分類が試みられています。










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生涯 

イストリア半島のピラーノ(現・スロベニア領ピラン)出身。

タルティーニの両親は彼をフランシスコ会の修道士にしようとしていたらしく、そのために彼は基礎的な音楽の教練を受けていた。

彼はパドヴァの大学で法律を勉強し、またそこでフェンシングの名手となった。

1710年に父親が没した後、タルティーニはエリザベッタ・プレマゾーレ(Elisabetta Premazore)と結婚する。

彼女は、もし彼の父親が生きていたならば、社会的身分の低さと年齢差ゆえに結婚に反対したであろう女性であった。

運悪く、エリザベッタはコルナーロ家の有力な貴族の寵愛を受けており、その貴族はすぐにタルティーニに誘拐の罪を押しつけた。

タルティーニはパドヴァを後にしてアッシジの聖フランシスコ修道会に入り、そのことで訴追から逃れることができた。

そして、この間に彼はヴァイオリンの演奏を始めるのである。 

1716年にタルティーニがフランチェスコ・マリア・ヴェラチーニの演奏を聴いたとき、彼はその演奏に強い印象を受け、自分の技能に不満を抱き、そのために彼は逃げるようにアンコーナへ移り住み、練習のために自室に閉じこもったという逸話がある。 

タルティーニの技能は非凡な成長ぶりを見せ、1721年にはパドヴァのイル・サント礼拝堂付きの指揮者(カペルマイスター)に、彼が希望するならば他の団体で演奏してもよいという契約つきで任命される。 

1726年にタルティーニはヴァイオリン教室をはじめ、ヨーロッパ中の学生達を引きつけた。

徐々に彼は和声と音響学の理論に興味を持つようになり、1750年以降生涯にわたって、彼は多くの学術論文を発表した。





















































音楽 

おそらく、タルティーニの最も有名な作品は《悪魔のトリルDevil's Trill sonata》であろう。

このソロ・ヴァイオリンソナタは、数多くの高度な技術を要求されるダブルストップのトリルが必要とされ、近代の規範をもってしても難易度の高い曲である。

ある逸話によれば、タルティーニはアッシジに居た頃「自分のベッドの足元で悪魔がヴァイオリンを弾いている」という夢にインスピレーションを得てこのソナタを書いたと言われてきた。

今日の研究では作風の考察から1740年代後半以降の作との説が有力である。また古代ギリシア・ローマ伝説をもとにしたヴァイオリン・ソナタ《捨てられたディド》もある。 

タルティーニの作品は、ほぼ全てがヴァイオリン協奏曲とヴァイオリンソナタである。

例外的にヴィオラ・ダ・ガンバをソロとする協奏曲も書いている。多くの同時代のイタリア人達とは異なり、タルティーニはオペラや教会音楽は全く作曲していない。

タルティーニの音楽は、学者達にとって不確かなものである。

それは、彼が決して原稿に日付を記入しないことや、過去に執筆されたあるいは既に演奏を終えた作品にさえ修正を加えたことなどにより、作品が製作された時期や修正が行われた時期、その修正の範囲などを定めるのが難しくなっているためである。

ドーニアス(Dounias)とブレイナード(Brainard)の2人の学者が、タルティーニの作品を、音楽の様式上の特徴に基づいて時期別に分類することを試みている。 

作曲家としての活動に付け加えて、タルティーニは非常に実用性を好む音楽理論家であった。

彼は、弦楽器に特に有用な聴覚現象である差音の発見者とされている。

彼は自らの発見を、論文Trattato di musica secondo la vera scienza dell'armonia(パドヴァ、1754年)で発表している。 

20世紀のイタリアの作曲家ルイージ・ダッラピッコラは、タルティーニのテーマをもとにした《タルティニアーナTartiniana》という小品を作っている。



















































           
















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ピランのタルティーニ像

 










トリル[trillとは? 

装飾音のひとつ。主要音とその上の隣接音を交互に細かく演奏すること。シャープやフラットで特別に隣接音を指定する場合以外は、主要音と隣りあったスケール・ノートを演奏する。








 

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nice!(64)  コメント(13) 
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コメント 13

海を渡る

おはようございます。
バイオリンの歴史は古いんですね。
日本の江戸時代にこのような音楽があったのがすごいですね^^。

冬の大潮の干潮には灯台付近で天然の牡蠣が捕れましたが、
今はどうか?
by 海を渡る (2014-12-06 11:04) 

般若坊

海を渡るさん こんばんは。今日は出掛けていて遅くなりました。
今朝はバルコニーの7時の気温がー0.8℃でした。四国も徳島と香川の県境に大雪が降り、車が200台近くも埋もれているようですね。
瀬戸内海に面する御地もさすがに冷え込んでいるのでは・・・
タルティーニ そんな時代になりますか・・・暗い中世を抜けだした頃ですね。 ^^
by 般若坊 (2014-12-06 18:52) 

katakiyo

ラストの写真素晴らしいですね、見入ってしまいました。
by katakiyo (2014-12-06 19:59) 

般若坊

katakiyo さん こんばんは。今夜も素晴らしい満月ですが、随分冷え込んでいますね。
日本各地大雪で大変なようです・・・幸い関東地方海側は、気温の低下だけで済んでいますが・・・
ご注目の写真 FBからの借り物です。青白く浮き出した裸体の表現が素晴らしいですね。
katakiyo さんなら この素晴らしさを私以上に感じられているのでしょうね! ^^
by 般若坊 (2014-12-06 20:17) 

YUTAじい

おはようございます。
何となく心の隅に残ってます・・・名曲たる・・・。
今日も癒されました、何時もありがとうございます。
by YUTAじい (2014-12-07 07:19) 

般若坊

YUTAじい さん おはようございます。
本格的な寒さですね。今朝のバルコニーの気温は-1.6℃でした。
朝日が射しているにも関わらず、家々の屋根が粉をふいたように霜で真っ白です。
by 般若坊 (2014-12-07 07:50) 

ponnta1351

初めて聴いた作曲家です。今覚えていてもすぐ忘れちゃうんですよね(涙)
何はともあれ、私にとっては演歌以外の音楽は好きです。

トリルという音楽用語も初めて知りました。
by ponnta1351 (2014-12-07 11:44) 

般若坊

ponnta1351 さん こんにちは。
トリルは意識して聴かれてはおられないでしょうが、いつも聴かれていると思いますよ。
バイオリンで単音でズーっと弓を引くのではなく、その上の音を交互に”トリトリトリ・・・”と奏でる方法ですね。だから”トリル”・・・な~んて云っちゃって ^^
ギターのトレモロ奏法に類する演奏方法ですね。
by 般若坊 (2014-12-07 12:15) 

あゆさこ

早速のコメント、ありがとうございます!
順次、コメント返ししていくため日にちが経ちすぎてしまいますので、まずは、こちらに、近況報告させていただきます。(*^_^*)
山形と仙台を結ぶ仙山線での乗客300人、8時間立ち往生のニュースが流れたかと思います。
今の時期は、水分を多く含んだ重い雪なので、木が重みに耐えれずに倒れてしまったんですね。(^_^;)
面白山までは、冬は車で行けず代行バスも行けなかったので、そのようになってしまったようです。
でも、天童は、数㎝積もったくらいで、今日は、天気が良かったので溶け始め、地面がグショグショ状態です。
一晩で真っ白になることも当たり前なので、用心しなければなりませんけどね。(@@;)
心配していただき、ありがとうございました。(*^_^*)
by あゆさこ (2014-12-07 17:57) 

般若坊

あゆさこ さん こんばんは。早速のレスポンスありがとうございます。
東北とはいえ天童市は恵まれた気候環境にあるようですね。
早くこの気圧配置が緩んで、平穏な雪景色に戻ってほしいですね。東北の方々の為にも・・・
by 般若坊 (2014-12-07 18:51) 

sabuchan

聴きますと綺麗な曲ですが、それを悪魔の夢からとは
考えられませんね。
もしかしたら、それが悪魔への誘いなのかもしれませんね
by sabuchan (2014-12-08 09:49) 

般若坊

sabuchan さん おはようございます。そうですね・・・綺麗な曲ですね。
綺麗な花には毒がある・・・綺麗な曲には魔物の誘いがある・・・でしょうか。 ^^;
皇居乾通りの紅葉散策に、行ってらっしゃったんですね。綺麗な紅葉を堪能されたことでしょう。
今年の紅葉はどこも鮮やかですね! ^^
by 般若坊 (2014-12-08 10:00) 

般若坊

一番最期のMP3は
”De rose en rose - Chris Spheeris - Slow Dance”
ダンスのお好きな方は スローステップでどうぞ! ^^
by 般若坊 (2014-12-09 22:27) 

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