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112 : Niccolò Paganini [楽興の時]

 

 

 

Niccolò Paganini

 












 

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Niccolò Paganini

    

    

 

ニコロ・パガニーニ(Niccolò(あるいはNicolò Paganini, 17821027 - 1840527日)はイタリアのヴァイオリニスト、ヴィオリスト、ギタリストであり、作曲家である。

特にヴァイオリンの超絶技巧奏者として名高い。






 























 



 

 

 

略歴 

パガニーニがヴァイオリンを弾き始めたのは5歳の頃からで13歳になると学ぶべきものがなくなったといわれ、その頃から自作の練習曲で練習していた。

それら練習曲はヴァイオリン演奏の新技法、特殊技法を駆使したものと言われる。 

そのヴァイオリン演奏のあまりの上手さに、「パガニーニの演奏技術は、悪魔に魂を売り渡した代償として手に入れたものだ」と噂されたという。

そのため彼の出演する演奏会では聴衆は本気で十字を切ったり、本当にパガニーニの足が地に着いているか彼の足元ばかり見ていた観客もいたという。 

少年時代から病弱であったが、1820年に入ると慢性の咳など体調不良を訴え、『毒素を抜くため』に下剤を飲み始める。

1823年には梅毒と診断されて水銀療法とアヘンの投与が開始された。

さらに1828年頃には結核と診断され、甘汞を飲み始め、さらに下剤を飲み続けた。

その後、水銀中毒が進行して次第にヴァイオリンを弾くことができなくなり、1834年頃についに引退する。

そして1840年に水銀中毒による上気管支炎、ネフローゼ症候群、慢性腎不全によりニースで死去。 

一般に死因は喉頭結核もしくは喉頭癌といわれているが、主治医の診断から結核ではなかったことがはっきりとしており、記録に残る症状(歯肉炎、振戦、視野狭窄など)から、水銀中毒だったことは明らかである。 

前述の噂が原因で埋葬を拒否され、遺体は防腐処理を施されて各地を転々とし、改葬を繰り返した末に1926年にジェノヴァの共同墓地にようやく安置された。


 









 

 

 

人物 

病弱だったためにやせていて浅黒く、そのことが前述の伝説に貢献した。

猛特訓の末に左手が柔軟になっていた事が彼の超絶技巧を可能にした。

これは、マルファン症候群によるものという説があり、アイザック・アシモフはその著書において、悪魔的とまで言われた演奏技術は、マルファン症候群特有の指の長さや、関節のなめらかな動きがもたらしたものではないかとする見方を示している。

しかし、パガニーニが中背だったという記録が残っている(絵画等には長身の人物として描かれているものもある)ことから、この説は考えにくいという説もある(ただし、マルファン症候群の罹患者は全て長身と言うのは俗説であり、身長はマルファン症候群と診断する際の必須の条件ではない)。

青年時代には、恋愛と賭博を好み、ナポレオン1世の妹のエリーズ・ボナパルトとポーリーヌ・ボナパルトと浮名を流した。

賭博では、演奏会の前日に商売道具のヴァイオリンをばくちに大負けしてとられたことがある。

興行師としての才能もあり、木靴に弦を張って楽器として演奏しひともうけした後、金に困った女性を助けたなどの逸話もある。

また演奏会にて、弾いている最中にヴァイオリンの弦が切れていき、最後にはG弦しか残っていなかったのに、それ一本で曲を弾ききったと言う逸話もある。

しかしながら弦が頻繁に、高いほうからつごうよく順に切れていったこと、一番低いG弦は決して切れなかったこと(弦楽器は開放弦より低い音を出す事は出来ない)などから、パガニーニ本人がパフォーマンスの一環として、伸ばして鋭くした爪で演奏中に弦をわざと切っていたと言われている。

自身の利益や金銭に執着する人物であったと言われる。

高い評価や人気を得るにつれ、演奏会のチケット代は高額を要求するようになった。

やがて偽造チケットも多く出回ったため、自ら会場の入口に立ち、チケットをチェックするほどの徹底ぶりであったと言われる。










 





 




 

 

 

楽器 

パガニーニが演奏するのに使用したヴァイオリンは1742年にグァリネリ・デル・ジェスが製作した「カノン」が有名である。

上記のように賭博でヴァイオリンを賭け、それを取られてしまうということがあったが、1802年にリヴロンという商売人がパガニーニに、演奏会で自身が所有する上記のグァリネリのバイオリンを使用してほしいことを申し出た。

パガニーニはそれを承諾し、演奏会でそのヴァイオリンを使用したところ演奏会は予想以上の成功を収めた。

それを見てか、リヴロンは感激し貸したヴァイオリンを「一生使用する」ことを条件に譲渡した。

以後パガニーニはこの楽器を音の大きさから「カノン」と命名し、愛用した。

 なお「カノン」はパガニーニの遺言で「他人に譲渡、貸与、演奏をしない」ことを条件に故郷ジェノヴァ市に寄贈した。

この遺言は当初は守られたが、1908年に定期的な修理をかねてヴァオリニストに貸与することを決定。

1937年の全面修理を経て、現在にいたるまでパガニーニの遺言を無視する形で貸与と演奏がされている。 





 

 


 











 

 

 

 

影響

ロマン派作曲家 シューベルトはパガニーニがウィーンに来た時、家財道具を売り払ってまで高いチケットを買って(友人の分まで奢って)パガニーニの演奏を聞き(ちなみに、この時にシューベルトが聞いたのが「鐘のロンド」を持つヴァイオリン協奏曲である)、「天使の声を聞いた」と感激した。

金銭に関して執着しないシューベルトらしい逸話である。

この台詞は正確には「アダージョでは天使の声が聞こえたよ」と言ったものである。

派手な超絶技巧よりもイタリアオペラに近い音色の美しさをとらえるシューベルトの鋭い感性も覗える。

リストは初恋に破れ沈んでいた20歳の時にパガニーニの演奏を聞いて「僕はピアノのパガニーニになる!」と奮起し超絶技巧を磨いたという逸話もある(リストはヴァイオリン協奏曲第4番を聞いたといわれている)。 

その他 イングヴェイ・マルムスティーンがギドン・クレーメルによる演奏がきっかけで非常に深い影響を受けるなど、ヘヴィメタル(特にネオクラシカルメタル)の世界に対する影響力は大きい。

1866年に友愛数(1184, 1210)を発見した10代の少年ニコロパガニーニとは別人。

1985年にパガニーニの子孫を名乗るマーク・パガニーニ(ボーカル)によるドイツのヘヴィメタルバンド「パガニーニ」が結成されたが、音楽性は正統派のアメリカン・ロックであったという。 

 

 





 










 

 

 

 

作品一覧 

パガニーニは作曲家としても活躍しヴァイオリン曲を残したが、極めて速いパッセージのダブルストップ・左手のピチカート・フラジョレット奏法など、どれも高度な技術を必要とする難曲として知られている。

パガニーニ自身は技術が他人に知られるのを好まなかったため、生前はほとんど自作を出版せず自分で楽譜の管理をしていた。 

その徹底ぶりは凄まじいもので、自らの演奏会の伴奏を担当するオーケストラにすらパート譜を配るのは演奏会の数日前(時には数時間前)で、演奏会までの数日間練習させて本番で伴奏を弾かせた後、配ったパート譜はすべて回収したというほどである。

しかも、オーケストラの練習ではパガニーニ自身はソロを弾かなかったため、楽団員ですら本番に初めてパガニーニ本人の弾くソロ・パートを聞くことができたという。

その背景として、パガニーニ自身が無類の”ケチ”だったと言う事の他に、この時代は、著作権などがまだ十分に確立しておらず、出版している作品ですら当たり前のように盗作が横行していた為、執拗に作品管理に執着するようになったとする説もある。 

このようにパガニーニ自身が楽譜を一切外に公開しなかったことに加えて、死の直前に楽譜をほとんど焼却処分してしまった上、彼の死後に残っていた楽譜も遺族がほぼ売却したため楽譜が散逸してしまい、大部分の作品は廃絶してしまった。

現在では、無伴奏のための24の奇想曲や6曲のヴァイオリン協奏曲(12曲あったといわれている)などが残されている(第3 - 6番が見つかったのは20世紀に入ってからである)。

現存している譜面は、彼の演奏を聴いた作曲家らが譜面に書き起こしたものがほとんどだと言われている。

また、同じ理由から弟子をカミッロ・シヴォリ一人しかとらず、そのシヴォリにも自分の持つ技術を十分には伝えなかったため、演奏の流派としてはパガニーニ一代で途絶えることとなってしまった。

パガニーニは、1800年から1805年にかけて表立った活動をやめ、ギターの作品を数多く作曲している。

これは、フィレンツェの女性ギター奏者を愛人としていたためといわれている。 

 

 

 


 










 

 

 

 

作品詳細はWikipediaを参照してくたさい。











 

 

 








































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[ぴかぴか(新しい)]










追加: lequiche さん ご紹介の チェントーネ・ディ・ソナタ


















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katakiyo

パガニーニのように美しく不道徳な写真を撮れたら・・そんな思いに駆られました。
by katakiyo (2015-06-06 05:59) 

YUTAじい

おはようございます。
今日も興味深く拝見させて戴きました・・・奥深く・・・。
何時もありがとうございます。
by YUTAじい (2015-06-06 06:53) 

般若坊

katakiyo さん おはようございます。
映画 「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」をご覧になってのコメントでしょうが、残念ながら私はこの映画を見ていないので、コメントできません。
この映画についてはhttp://www.cinemacafe.net/article/2014/07/18/24748.html
で解説されていますので、ご興味のある方は、ご覧ください。

解説の一部を引用すると 
”お酒、ギャンブルを好み、女性にもだらしない男として描かれていますが、それだけ本能に正直で純粋というようにも見えます。
しかも、そういう危険な男は、女にとって魅力的。単にダメな男ならばいざ知らず、人間的に模範とも言えない人物なのに世にも美しい旋律を奏でるとなれば、かえってそのギャップがまたもや女心を捉えて離さないのです。” 
との事です。
by 般若坊 (2015-06-06 07:35) 

般若坊

YUTAじい さん おはようございます。いつもありがとうございます。
今日も雨模様で肌寒いですね。北海道では6月だと云うのに雪が降ったようです。
最近の気象はどうなっているんでしょうか・・・ ^^;
by 般若坊 (2015-06-06 07:38) 

ponnta1351

龍君の可愛らしい事!佐渡さんの若い事!
パガニーニは知って居ましたよw
今朝ほどNHKの名曲アルバムでベルギー人バイオリンニスとビュータンの演奏をちょこっとやって居ました。
ベルギーの国立図書館にビュータンのノートがあり、彼の素晴らしさを絶賛す音楽家達の中にパガニーニが書いた物も有ると言って居ました。


by ponnta1351 (2015-06-06 14:21) 

般若坊

ponnta1351 さん こんにちは。絶対音感を持つ少年、五嶋龍君もいまではもう立派な青年ですね。難曲を一生けん命弾きこなしていた懸命さに拍手を送ったものです。
アンリ・ヴュータンはパガニーニに遅れる事40年あまりですが、パガニーニは彼の演奏や評判を知っていますね。
”小さなパガニーニ”の愛称で、脚光をあびた音楽家ですね。どう云う訳か紹介リストから漏れています。機会を見て、彼の作品をひも解いてみたいと思います。 ^^
by 般若坊 (2015-06-06 15:40) 

DEBDYLAN

誕生日へのメッセージ、ありがとうございましたm(__)m

by DEBDYLAN (2015-06-06 23:55) 

般若坊

DEBDYLAN さん おはようございます。
これからの1年が、また充実した1年でありますように・・・ ^^
by 般若坊 (2015-06-07 07:26) 

sig

こんにちは。
ラ・カンパネラの楽譜を初めて見ましたが、楽譜自体が音楽を奏でているようですね。Ryu Goto君の演奏も素晴らしいものですね。
by sig (2015-06-07 10:28) 

般若坊

sig さん こんにちは。ピアニストってすごいですね・・・楽譜のような半音階をものすごいタッチで上昇したり下降したり・・・ピアノの特性を引き出していますね。
一音一音確実にキーにタッチして演奏する技術・・・腱鞘炎になりそう。
ピアノ演奏家が指に保険をかけるのも、分る気がします。
鍵盤楽器を以って弦楽器の曲を弾く・・・リストも えらい事をやってくれました。 ^^
by 般若坊 (2015-06-07 11:25) 

海を渡る

こんにちは。
音楽家にもいろんな性格があって面白いですね。
作品が後世に残らなっかのが残念ですね。
by 海を渡る (2015-06-07 17:06) 

般若坊

海を渡るさん こんにちは。パガニーニは結構シビアーな男だったようですね。
通常はケチな男は女性に嫌われますが、どうも彼は別だったようです。
作品がそんなに残っていないのは残念ですし、パガニーニ奏法を伝える後継者も居なかったのは、ちょっとさびしい気がしますね・・・ ^^
by 般若坊 (2015-06-07 17:24) 

lequiche

パガニーニは一時、チェントーネ・ディ・ソナタにハマッていたことがあります。
パガニーニというとテクニックばかりがクローズアップされますが、
音楽的にも優れた作品だと思います。

彼の失われた作品がどんなだったのか、興味がありますね。
by lequiche (2015-06-08 00:00) 

般若坊

lequiche さん おはようございます。コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、優れた作曲家であることは論を待たないですね。ご紹介いただきましたチェントーネ・ディ・ソナタ 奔りを乗せておきました。
それから、マウリツィオ・ポリーニ のベートーヴェンのソナタの、CDのご紹介もありがとうございました。 ^^
by 般若坊 (2015-06-08 09:57) 

旅爺さん

ヴァイオリンもギターも素敵な弦楽器ですが、
ヴァイオリンの方が上に見られてるんでしょうかね?
by 旅爺さん (2015-06-09 08:20) 

般若坊

旅爺さん おはようございます。
そんな事はないと思います・・・ヴァイオリンもギターも弦楽器ですが、一方は弓で弦を震わせ、一方は指で弾いて音を出す違いですね。
ヴァイオリンもピック奏法の時は指で弦を弾きます。
パガニーニは右手で弓を引き、左手で弦を弾くピッチカート奏法を導入し、高度なヴァイオリン奏法を確立したようです。
合奏・独奏楽器として深化したものと、手軽な民俗楽器・伴奏楽器として深化したものの違いのような気がします。
それぞれに奏法が深化し、その楽器特有の持ち味がありますね!楽器に上下はないと思いますよ・・・ ^^
by 般若坊 (2015-06-09 09:57) 

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