177 : Joaquín Rodrigo Vidre [楽興の時]
Joaquín Rodrigo Vidre
Joaquín Rodrigo Vidre
ホアキン・ロドリーゴ・ビドレ(Joaquín Rodrigo Vidre, 1901年11月22日 - 1999年7月6日)は、スペインの作曲家。
幼児期に失明したにもかかわらず、芸術家として大成した。
数々の作品を通じてクラシック・ギターの普及に功があったとされ、とりわけ《アランフエス協奏曲》はスペイン近代音楽ならびにギター協奏曲の嚆矢とみなされている。
本人はピアニストであり、ギターは演奏しなかった。
ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」より 第2楽章 adagioです。
Youtubeに切り替え 720PHD,1080PHDの解像度にセットし、全画面モードでお楽しみください。
♪初めての子を失った悲しみを詠うギターの調べ
スペインの首都マドリードから南へ約47キロほど離れた土地に、豊かな水と森に恵まれた美しい街・アランフェスはあります。
乾燥地帯が多いスペインにあってタホ川源流の水が齎す恵みは、アランフェス一帯を潤し古くから王の離宮や庭園が作られてきました。
スペイン内戦中にこの地を妻と共に訪れたロドリーゴは、盲目の身でありながらも肌で、耳で、香りでアランフェスの自然を感じ、やがてひとつの協奏曲へと結実する音楽の楽想を練りました。
それが20世紀を代表するギター協奏曲として、また彼の代名詞的作品として有名な「アランフェス協奏曲」です。
戦後すぐの1940年に、作曲にも協力した名ギタリスト、レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサの独奏で初演されました。
ロドリーゴはこの曲に内戦で傷ついたスペインやアランフェスの平和への想いを込めたと言われ、分けても第2楽章には長子を流産して悲しみに暮れる夫人への、慰めの意も込められていると、後年になって自身が告白しています。
この楽章は「恋のアランフェス」というムード音楽に編曲されるなど、ポピュラー・クラシックとしても大変親しまれています。
生涯
バレンシア州のサグントに生まれる。
3歳のころに悪性ジフテリアにかかり、視覚障害者となる。
8歳でピアノとヴァイオリンの学習を始める。
地元バレンシアでフランシスコ・アンティチに、パリのエコール・ノルマル音楽院でポール・デュカスに作曲を師事。
短期間スペインに帰国した後、パリに舞い戻って音楽学を初めモーリス・エマニュエルに、その後はアンドレ・ピロに師事。
1924年に管弦楽曲《子どものための5つの小品》によりスペイン国家賞を授与される。
1933年1月にバレンシアにてトルコ人ピアニストのビクトリア・カムヒと結婚し、一女のセシリア(1941年1月27日 - )を儲ける。
1947年よりマドリード総合大学の哲学科・文学科の教授として音楽史を担当した。
代表作のアランフェス協奏曲は1939年にパリにおいて、クラシック・ギターの独奏と管弦楽のために作曲された。
親しみやすい中間楽章の「アダージョ」は、20世紀のクラシック音楽としては最も有名な楽曲となっており、マイルス・デイヴィスが1960年にLP「スケッチ・オブ・スペイン」の中核として取り上げるなど、様々な編曲によって広く知られている。
この作品の成功は、20世紀におけるギター協奏曲の創作に先鞭をつけたとともに、その後のジェームズ・ゴールウェイやジュリアン・ロイド・ウェバーからロドリーゴへの協奏曲の依嘱につながることとなった。
1954年にアンドレス・セゴビアの依嘱により、《ある貴紳のための幻想曲》を作曲。
《アンダルシア協奏曲》はセレドニオ・ロメロから、3人の息子と共演できる作品を打診されて創られた作品である。
1991年にスペイン国王ファン・カルロスより貴族に列せられ、「アランフエス庭園侯( Marquésde los Jardines de Aranjuez )」の爵位を授かった。
1996年には、スペイン国民にとって最高の名誉を意味するアストゥリアス王太子賞を授与されたほか、1998年にはフランス文化勲章を獲得した。
1999年にマドリードにて老衰のため逝去。97歳という長寿であった。ビクトリア夫人とともにアランフエスの墓地に永眠している。
生前は後進の育成にも力を入れ、中国の女性ギタリストスーフェイ・ヤンのマドリードでのデビューリサイタルに出席した。
亡くなる半年前には、テレビ番組の収録を通じ、当時パリに在住していたギタリスト村治佳織が訪れて彼が作曲した曲を数曲披露した。
主要作品一覧
協奏的作品
管弦楽曲
吹奏楽
ギター曲
ピアノ曲
4手ピアノのための作品
声楽曲・合唱曲
曲目詳細は以下を参照されたい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%82%A2%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B4
アランフエスにある記念碑
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ご紹介する事を基本としているブログです。
またここで使っている音楽・動画は、ご紹介している作曲家・アーティストの作品や解説への引用です。
おはようございます。
私としては余り馴染みの曲が・・・再訪させて戴きますね。
何時もありがとうございます。
by YUTAじい (2016-09-10 07:21)
YUTAじい さん おはようございます。なるほど作曲家としては、耳慣れないかもしれませんね。
上から3曲目 ポール・モーリア楽団の”恋のアランフェス”はポピュラー曲でも有名ですから、聞き覚えがあるのではないですか?
盲目の作曲家をご紹介するのは、宮城道夫に続いて2人目ですね・・・^^
by 般若坊 (2016-09-10 08:20)
いつも力作の記事、素晴らしいです。
コメント、ありがとうございました。
by toshi (2016-09-10 11:32)
toshiさん コメントありがとうございます。
モンゴル カラコルムをご旅行中で、うらやましいです。
カラコルの星空・・・筆・舌・カメラでは表せないと言う事ですね・・・
カラコルムに来て、肉眼で確認しなさい・・・と言うことですか・・・う~ん ^^
by 般若坊 (2016-09-10 12:23)
ポールモーリアたのしみました。
by 夏炉冬扇 (2016-09-10 18:10)
夏炉冬扇さん こんばんは。ポールモーリアの ”恋のアランフェス” お愉しみいただきましたようで・・・ ^^
ここで、ポールモーリアについて一言
ポール・モーリア(Paul Mauriat、1925年3月4日 - 2006年11月3日)は、フランスの作曲家、編曲家、指揮者、ピアニスト、チェンバロ奏者。
特に日本では「ラブ・サウンドの王様」と呼ばれ、イージーリスニング界の第一人者として有名。
by 般若坊 (2016-09-10 22:46)
ホキアン氏の曲は初めてですが全体に静かな感じのが多いようですね。ギター奏者や楽士達のさりげなさそうな演奏に見とれました。
by 旅爺さん (2016-09-11 10:33)
旅爺さん こんにちは。コメントありがとうございます。
この作曲家の名前とアランフェス協奏曲が、なかなか一致しませんね!
曲の方があまりにも有名になり、有名楽団が演奏するようになってヒットし、曲だけが一人歩きしているようです。 ^^
by 般若坊 (2016-09-11 12:47)
今朝改めて聞きましたが1・3曲目やアンダルシア協奏曲などは55年ほど前に何度か聞きました。クラシックギターもやってましたがナルシソ イエペスなども憧れた一人です。爺はフラメンコが好きでしたのでスペインにも行って来ましたよ。
by 旅爺さん (2016-09-13 09:18)
旅爺さん こんにちは。再度のご来訪ありがとうございます。
朝からの激しい雨が、どうやら上がったようですね。今週はあまり天気が思わしくないようです。
スペインのギター曲とクラシックギター 旅爺さんも結構音楽好きですね!
思いあまってスペインへ・・・ですか? ^^
by 般若坊 (2016-09-13 11:24)
アランフェス協奏曲は誠に美しい曲で、高校生の頃、乏しいお小遣いをやりくりしてイエペス盤を買い、何度も聴いたものです。
また、そのレコードにカップリングされていた「ある貴紳のための幻想曲」も素晴らしい曲で、これはのちに、献呈を受けたセゴビアによる演奏のレコードも買って楽しみました。
今ではほとんど聞くことが亡くなりましたが、記事を拝見し、懐かしさでいっぱいになっております。
by 伊閣蝶 (2016-09-14 15:41)